【チープカシオのディープな魅力①】チプカシ F-91Wの魅力(CASIO STANDARD – カシオ スタンダード)

2022年2月24日

すっかりチープカシオ、いわゆるチプカシの魅力に取りつかれてしまった。
前々から惹かれていたが、インスタでフォローしている方の「チープカシオならぬディープカシオ」というポストで興味が爆発した。
試しに買ってみた。
安いし、都合3モデル買ってみた。
案の定、チープカシオの虜になってしまった。
このエントリでは、チープカシオといえばこのモデルといえる、F-91Wの魅力を掘り下げる。
購入した3本のチープカシオの中で、最も使用頻度が高いモデルだ。

チープカシオとは?

チープカシオとは、カシオが800円~4,000円程度の低価格帯で販売している腕時計だ。
※データバンクなど、一部並行輸入品は8,000円くらいするものもある。
チープカシオ、略してチプカシという名称が一般的だが、正式名所はカシオ スタンダードだ。
カシオは1974年からクォーツ式時計を作り始めた。
1980年代に入り、薄くて実用的で、かつ廉価なモデルの量産に乗り出した。
この、低価格ラインが俗に言うチープカシオだ。
家電量販店や、ホームセンター、ドン・キホーテなどで、プラスチックのケースに入った状態でよく置いてある。
もともとは、イケてるアイテムではなかったが、2015年頃からファッションアイテムとしてチープカシオブームが起こった。

なぜチープカシオブームが起こったのか?

なぜチープカシオが流行ったのか?
結論、流行のサイクルによる必然だと考えている。
流行は繰り返すと言われているように、ファッションは過去に流行ったスタイルがアップデートされてリバイバルする。
クラッチバッグの流行を思い浮かべてもらえれば、なんとなく分かると思う。
2010年代半ば頃から、昭和レトロと呼ばれるような、レトロだけどフューチャーなテイストが流行り始めた。
そしてさらにノームコアブームがあった。
チープカシオは、レトロフューチャーなデザインのモデルが多い。
それでいて控えめなデザインが多いので、ノームコアなファッションとの親和性も高い。
流行のサイクルがチープカシオを見出し、チープカシオは一気にファッションアイテムとして定着した。

F-91Wとは?

F-91Wはチープカシオを代表するモデルだ。
チープカシオと言ったらコレを思い浮かべる人が一番多いと思う。
リリースは1989年。
累計販売数は非公開だが、億はくだらないだろうとの説がある。
累計1億個売れた時計が他にあるだろうか?
F-91Wはこれまでに最も売れた腕時計と言える。
ちなみに年間の生産量は300万個と言われている。
F-91Wにはいくつか象徴的なエピソードがある。
子どもの頃に紛失したF-91Wが20年ぶりに家の庭から発見され、バッテリーが切れることなくまだ時計が作動しており、時差は7分遅れているだけだったというエピソードが有名だ。

写真

このフェイスがとても好き。
どこかレトロな色彩のブルーとレッドがとても効果的。
そして、F-91Wのフォントカラーがゴールドなのもツボ。
WATER RESISTと書いて、略してWRと更に記載しちゃう感じもツボ。
このレトロフューチャーで、ダサカッコいいフェイスは唯一無二だと思う。
そして、ケースの安っぽいプラスチック感がとても良い。

ベルトの穴を囲むこのスクエアがいいアクセントになっている。
ベルトの質感は極めて安っぽく、そこがまた良い。

ケース付近のこの3本ラインが良いアクセントになっている。

写真だと分かりにくいが、ベルトの留め具にCASIOと刻印されている。

とても薄い。
G-SHOCKの5600系の半分くらいの薄さ。
つけているのを忘れるくらい薄い。
キーボードを叩くときは、腕時計を外さないと集中できない派だが、F-91Wはつけたままでも邪魔にならない。

ボタンが4つではなく、3つなところが好き。
この未完成っぽさが良いアジを出している。
G-SHOCKの5600系のプロトタイプみたいな雰囲気がツボ。
G-SHOCKの一歩手前見たいな空気を出しつつ、C-SHOCKよりも後にリリースされているということが面白い。

バックライトはELバックライトではなく、豆球ライト。
正直見にくいが、このチープな豆球ライトが好き。

まとめ

チープカシオは、使えば使うほど引き込まれる魅力がある。
その魅力は、ストイックなところに由来していると思っている。
チープカシオは、限界までコストダウンしつつ、実用時計として最高水準の機能性を目指している。
ギリギリで最高という、とても絶妙で危ういセンを狙った過激な時計だ。
ある意味、コスト度外視で極端な時計をつくる、リシャール ミルに通ずるものがある。
チープカシオも間違いなく、エクストリーム・ウォッチだ。
1,000円未満でこんな時計をつくるなんて、ある意味狂気の沙汰だと思う。
デザインや機能性もさることながら、そんなエクストリームなチープカシオをあえて選ぶことが、とてもクールなことだと感じる。
ぼくはあえて、チープカシオを愛用し続けると思う。